こんにちは、あらいぐまです。
今回は、知念実希人さんの「天久鷹央の推理カルテ」をご紹介します。
この本を読んだきっかけは、Twitterでフォローワーさんがおすすめしていたからです。
巻数も多く出ており躊躇していましたが、フォローワーさんが「面白いですよ」と紹介していたので、読み始めることにしました。
表紙を見た印象では、ライトノベルのような印象です。
それもそのはず、表紙と挿絵を描いているいとうのいぢさんは、涼宮ハルヒの絵を描いている方です。
ただ、ライトノベルほど挿絵が多いわけではなく、ライトノベルと小説の間といった感じでしょうか。
そもそもライトノベルと小説の違いがいまいち分かりにくいです。
ライトノベル系レーベルから出版されたら、ライトノベルになるのでしょうか。
しかし、この本を出版している新潮文庫NEXは、ラノベレーベルではないらしい。
本屋に並ぶ時もライトノベルの棚には並ばないということになります。
やはり、ライトノベルと小説の間という表現が合っている気がします。
正直、面白ければどっちでも良いですけどね。
・医療ミステリー
・河童
・人魂
・親子
・中絶
作品概要
天医会総合病院に設立された「統括診断部」には、他の科で診断が難しいと判断された患者が訪れる。
統括診断部の部長である天才女医の天久鷹央は、その膨大な知識量で患者たちの謎を解き明かす。
すらすら読める医療ミステリー
知念実希人さんの医療ミステリーということで、医療の知識が詰まってます。
医療の知識が詰まっているからといって、難しい用語で読みづらいということは全然ありません。
それは、天久鷹央のキャラに魅力があるからだと思います。
患者の前でもお世辞など一切言わず、正直な感想しか言いません。
それに、天久鷹央の部下である小鳥遊への態度も面白いです。
そのため、医療知識が豊富な中でも読みやすくなっているのだと思います。
それに、小説のページ数も300ページと少なく、普段小説を読まない人でも読みやすい厚さとなっています。
また、ところどころの挿絵が良いです。とにかく天久鷹央がかわいい!
普段、小説を読むときはどんな人物か想像しながら読むのですが、表紙や挿絵があるとその人物が固定されます。
なので、読者は表紙の天久鷹央を思い描きながら、ストーリーを追うことができます。
私の場合、そこに声をつけることが時々あります。
天久鷹央は声優の佐倉綾音さんの声で再生されました。笑
考えさせられる内容
この「天久鷹央の推理カルテ」は、各章完結になっています。
各章はこんな感じです。
第1章:河童を見た少年の話
第2章:人魂を見た看護師の話
第3章:中絶をした女子高生が、まだ赤ちゃんがお腹の中にいると訴える話
第4章:検査では何も異常が見つからないのに、突然体調が悪くなる少年の話
その中で、第3章では「中絶」というテーマを扱っています。
人魂とか河童とかに比べると重いテーマです。
中絶は是か非かという話も出てきました。
「いつ人は『人』として認められるのか。卵子が受精した瞬間、胎児に神経系が作られたとき、胎児が母体からでたとき。様々な考え方があり、どれもが一理ある。結局、いくつもある選択肢のうちどれをとるかは、その社会全体が決めることだ。」
「いまの日本では、母体から出て初めて『人間』であるとして認められ、人権が与えられる。そして、妊娠二十二週未満なら、母体保護法指定医による人工妊娠中絶は法的に認められている。(中略)」
知念実希人「天久鷹央の推理カルテ」株式会社新潮社 142p
中絶って話すと倫理の問題になるし、関係ないからという理由で、深くは考えていなかった。
テレビのニュースを見ると、生後〇か月の赤ちゃんが死亡し、親が逮捕されるなんていう痛ましい事件が起きることがあります。
ひどいときには、ロッカーの中に捨てられていたなんていう話も聞きますね。
そんな中、人工妊娠中絶手術は合法として行われている。
何か月かの違いで、一方は逮捕、もう一方は合法となっています。
ただ、どうしても産むことが出来ない。
母体の健康上の理由で仕方なく。
暴行や脅迫のため。
という例もあるので、難しい問題です。
さらに、望まない出産をして、果たして子供は幸せかという問題もあります。
こうやって考えているけれども、答えが出ません。
中絶が悪いことなのか良いことなのか、神様じゃあるまいし、個人で判断できる範囲を超えています。
ただ、だからといって目を背けるのではなく、考えることが大事なのだと思います。
最後に、人工妊娠中絶の件数は、増えているのか減っているのか気になったので、データを調べてみました。
「厚生労働省政策統括官『衛生行政報告例』から作成」
2017年のデータですが、年々減少していることが分かります。
この事実は以外でした。テレビを見ていると、中絶の話を聞くことがあるので、増加していると思っていました。こうやってデータを見ないと、本当のことは分からないと改めて気づかされました。
まとめ
またもや、脱線してしまいましたね。
まとめとして、この「天久鷹央の推理カルテ」は、一見ライトノベルっぽいけども、しっかりとした知識に基づいた医療ミステリーとなっている小説です。
ライトノベルが苦手な方にも、一読してほしい作品です。
また、普段ライトノベルしか読まないっていう人にとっても、読みやすい小説だと思います。
表紙がいとうのいぢさんだし、天久鷹央はかわいいし。(笑)
これを橋渡しに知念実希人さんの別の小説など読んでみると面白いと思います。
医療ミステリーの面白さだけでなく、考えさせられる内容となっています。
そのため、ページ数は少なく読みやすいですけど、読み応えは十分にあります。
次の巻も買ってありますので、最後まで読むのが楽しみです。
興味があれば、ぜひ読んでみてください。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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