こんにちは、あらいぐまです。
今回は、青山美智子さんの「月の立つ林で」を読みました。
5つの短編で構成されている連作短編集です。
連作短編集:短編ごとに何らかのつながりをもった短編集
青山さんの連作短編集は、どれも心温まる物語で胸が熱くなるんですよね。大好きな作家さんの一人です!
私が今まで読んで印象に残っているのが、「お探し物は図書室まで」と「青と赤のエスキース」です。
お探し物は図書室まで
2021年本屋大賞2位!
心の琴線に触れる言葉がとにかく多かったです。
それぞれ悩みを抱えている主人公たちが、図書室で勧められた本と出会い、考え方が変わっていく物語です。
悩んでいる時に読み返したくなる本です。
赤と青とエスキース
2022年本屋大賞2位!
なんと、2年連続で本屋大賞2位というすさまじさ・・・
多くの書店員さんが選んだのも納得の面白さです。
ミステリー要素もあり、読む手が止まらなくなります。
本屋大賞を2年連続で2位受賞している青山さんの小説、良くないわけがありません!
「月の立つ林で」も琴線に触れる言葉が多く、心温まる物語でした。
あらすじ
長年勤めた病院を辞めた元看護師、売れないながらも夢を諦めきれない芸人、娘や妻との関係の変化に寂しさを抱える二輪自動車整備士、親から離れて早く自立したいと願う女子高生、仕事が順調になるにつれ家族とのバランスに悩むアクセサリー作家。
つまずいてばかりの日常の中、それぞれが耳にしたのはタケトリ・オキナという男性のポッドキャスト『ツキない話』だった。
ポプラ社HPより(https://www.poplar.co.jp/book/search/result/archive/8008405.html)
月に関する語りに心を寄せながら、彼ら自身も彼らの思いも満ち欠けを繰り返し、新しくてかけがえのない毎日を紡いでいく――。
悩んでいる人・闘っている主人公に感情移入して読み進められます!
あと、無性にポッドキャストが聞きたくなります!!
みんな気づかず人の役に立っている
1章ごとに主人公が変わっていきますが、ぞれぞれ繋がりがあります。
前の章で主人公だった人の何気ない行動が、次章の主人公の勇気づけになったりします。
・Twitterで「いいね!」が付いた。
・雨が降っている中、荷物が濡れずに届いた。
・ワイヤーアクセサリーを制作した。
本人にとっては何気ない行動や仕事の結果であり、「人の役に立っている」と実感しているわけではありません。
それでも、それを受け取った側は、勇気をもらっています。
現実世界でも同じことが言えると思います
何気なく言った「ありがとう」という言葉だったり、電車で席を譲ったり・・・
本人が気づいていないだけで、他の人の小さな勇気になっているかもしれません。
遠いから綺麗なことしか想像できない
この本の中で一番心に響いたのが、こちらです。
月から見える地球はさぞかし美しいだろう。
タケトリ・オキナの言うように、月に生物がいたら、あの青い星はどんな素晴らしい世界なんだろうと憧れるに違いない。
でも実際には、この地球はどこもかしこも汚れていて破壊されている。
意味のない戦いは止まず、わけのわからない病がはびこって、いつも誰かが傷ついて泣いている。
遠いから、知らないから、きれいなことしか想像しないで済むのだ。
「月の立つ林で」青山美智子 株式会社ポプラ社 p232-233
これって逆も言えますよね。
地球からみた月は、きれいに輝いています。
しかし、実際にはクレーターが数多くあり、レゴリスという砂で覆いつくされています。
距離が遠いと、きれいなことしか想像できない。
まさに、「隣の芝生は青い」です。
隣から見る芝生は、とてもきれいな青で羨ましく感じます。
ですが、近くで良く見ると虫がたくさん発生しているかもしれない。
こちらから見えない場所にゴミが隠されているかもしれない。
見えていない部分・見えない部分に汚い部分があるかもしれません。
SNSでよく知らないのに批判している人がいます。遠いから、知らないからこそ誤解して反応しているのかもしれません。
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