【感想】音楽教室へ潜入調査した職員の心情とは・・・【ラブカは静かに弓を持つ 安壇美緒】

ラブカは静かに弓を持つ ネタバレ 結末
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こんにちは、あらいぐまです。

今回は、安壇美緒さんの「ラブカは静かに弓を持つ」を読みました。

2023年の本屋大賞に選ばれており、注目されています!

本屋大賞にノミネートされた本、残るは2冊となりました。

発表までには、読み終わりそうです!

それにしても、どの本も面白い!!

さすが本屋大賞にノミネートされた本、ハズレなしです。

・ヤマハとJASRACとの間で実際に起きた問題をテーマにしている。

・JASRACのことを知ることができる。

・読んでいる最中、チェロが聞きたくなる!

・会社、友達、家族以外の仲間を作りたくなる。

目次

あらすじ

ラブカは静かに弓を持つ 安壇美緒 感想 評価

少年時代、チェロ教室の帰りにある事件に遭遇し、以来、深海の悪夢に苛まれながら生きてきた橘。
ある日、上司の塩坪から呼び出され、音楽教室への潜入調査を命じられる。
目的は著作権法の演奏権を侵害している証拠をつかむこと。
橘は身分を偽り、チェロ講師・浅葉のもとに通い始める。
師と仲間との出会いが、奏でる歓びが、橘の凍っていた心を溶かしだすが、法廷に立つ時間が迫り……

想像を超えた感動へ読者を誘う、心震える“スパイ×音楽”小説!
【第6回未来屋小説大賞受賞】
【第25回大藪春彦賞受賞】

集英社文芸ステーションHP

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実際の出来事をモチーフに

ヤマハ JASRAC ラブカは静かに弓を持つ ミカサ 

皆さんは覚えていますでしょうか。

2019年、JASRAC(日本音楽著作権協会)が音楽教室での著作権調査のため、2年間「ヤマハ音楽教室」へ職員を潜入調査させていたことが発覚しました。

「ラブカは静かに弓を持つ」では、この潜入調査をモチーフにしています。

団体名こそ違いますが、あきらかにJASRACとヤマハです。

・ミカサ音楽教室(作中)→ヤマハ音楽教室(実際)

・全日本音楽著作権連名(作中)→日本音楽著作権協会(実際)

主人公である橘は、日本音楽著作権協会の職員であり、著作権調査の目的でミカサ音楽教室のレッスンへ潜入します。

レッスンが進むにつれて、講師と仲間たちと仲良くなっていく橘。

しかし、心の底から楽しめず、自分はスパイであるという罪悪感を抱いたまま2年間過ごすことになります。

そんな橘の葛藤を読み進めていく中、ふと思うことがありました。

あらいぐま

実際にヤマハへ潜入調査したJASRACの職員は、どんな気持ちで2年間過ごしていたんだろう・・・ 

2年間も通えば、講師や仲間との間に信頼関係が生まれるはずです。

どんな気持ちで講師や仲間と接していたのでしょうか。

潜入している人も人間なわけですから、罪悪感を抱きながら日々過ごしていたと思います。

ニュースの記事だけでは読み取れない心情を想像してしまいます。

「好きなこと」で繋がれる存在

この本を読んでいて羨ましく感じたのが、「趣味でつながっているコミュニティ」の存在です。

会社・友人・家族以外の人たちと繋がれる場所って、すごく貴重だと感じました。

性別・年齢・職業関係なく「好きなこと」で集まれるって素敵なことだなと。

あらいぐま

私にはそのようなコミュニティが無いので、羨ましいです・・・

ただ、そのためには行動しないといけないんです。

自分から連絡とったり、申し込んだり・・・・

それが億劫で、不安で行動できずにいました。

あらいぐま

新しい集団に入るのって、めちゃくちゃ不安なんですよね・・・

この本を読んだことで、不安で行動できない自分の背中を押してくれた気がします。

「透明な壁」が現実を歪ませる

ラブカは静かに弓を持つ 本屋大賞

橘の発言で印象に残っている言葉があります。

透明な壁の向こうと自分との間には、著しい段差がある。

世界のありのままの姿を、オートマティックに捻じ曲げてしまうような分厚い壁。

みずからの不信が作り上げたその巨大な壁が、目に映るもの全てを脅威に変換してしまう。

この脅威は幻だ。

手を伸ばすべき現実はいつも、恐れの向こう側にある。

安壇美緒「ラブカは静かに弓を持つ」株式会社集英社 p282

「透明な分厚い壁」という表現が好きです。

皆さんにも経験がないでしょうか?

嫌なこと・不安なことを自分の中で大きくしてしまう経験。

実際に手を伸ばすと、想像していたよりも小さかった経験。

あらいぐま

ものすごく不安に感じていたけど、実際にやってみると大したことなかった!あの時感じていた不安は何だったんだ・・・

これは、「透明な壁」というフィルターが現実を歪ませているからです。

この「透明な壁」とても厄介です。

大丈夫、大丈夫と思っても、消えてはくれません。

不安なものは不安なんですから。

だから、自分には「透明な壁」があることを自覚することが大事だと思います。

あらいぐま

今すごい不安に感じているけど、これは「透明な壁」のフィルターと通しているんだな。歪んで見えているんだ。

そう思えることで、ほんの少しですが不安は減ると思います。

その作業を繰り返すうちに、「透明な壁」が薄くなっていくんだと思います。

あらいぐま

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この記事を書いた人

はじめまして。
あらいぐまと申します。
読書とソロキャンプが趣味の28歳の会社員。
ミステリ小説多めです。
読んだ本の感想や考えたことを発信します!

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