こんにちは、あらいぐまです。
今回は、ダン・アリエリーさんの「予想どおりに不合理」を読みました。
この本は、今話題になっている行動経済学が学べる本です。
行動経済学とは?
①経済学と心理学が融合した学問。
➁合理的ではない行動をする理由について解明していく。
経済学は、全ての人が合理的に行動することを前提に考えられています。
しかし、実際は全ての人が合理的に行動できるわけではありません。
なぜ合理的に行動できないのか。
この問いに対して、心理学を組み合わせ解明しようとしたのが、行動経済学です。
最近、注目されている学問です!!
「予想どおりに不合理」では、身近な例を紹介し、いかに私たちが不合理な選択をしているのか分かりやすく説明してくれています。
たくさんの事例が紹介されていましたが、特に印象に残った3つを紹介します!
比較して決める
私たちは、何かを決めるとき比較して決めます。
より良い選択をするうえで比較は欠かせません。
ですが、この比較が不合理な行動につながっています。
ここでは、比較における不合理的な事例を3つ紹介します。
真ん中が選ばれやすい
あなたは、家電量販店に行きTVを買おうとしています。
3台良さそうなTVがあったらどれを選ぶでしょうか?
タイトルにもある通り、真ん中が選ばれやすいんです。
人は、真ん中を高すぎず安すぎない「ちょうど良い」値段と判断します。
他にも、コーヒーショップでコーヒーを買うとき、「Mサイズ」を選びがちです。
これは、脳が考える時間を短縮しているのだと考えます。
真ん中を選べば、とりあえず大丈夫でしょ!
と思うことで、決断する時間を短縮しています。
人は、日々膨大な量の決断をしているため、少しでも脳の負担を軽くしようと行動します。
脳の負担を軽くしようとするため、とりあえず大丈夫そうな「真ん中」を選びやすいのです。
おとりの選択
続いては、「おとりの選択」です。
あなたがもし、新聞購読をしたいと思っていたら、どのプランを選ぶでしょうか?
パターンAで依頼された場合とパターンBで依頼された場合、どのプランを選ぶか考えてみてください。
パターンAでは、「①web版のみ」と「➁印刷版+web版」のプランがあります。
パターンBでは、パターンAのプランに加えて「印刷版のみ」を加えています。
それぞれのパターンで何が選ばれやすいのでしょうか?
それぞれ100人に聞いたところ、驚くべき結果が出ました。
パターンAでは、「web版」のみと答えた人は68人いたのに対し、パターンBでは16人に減っています。
逆に「印刷版+web版」は、倍以上増えています。
なぜでしょうか?
パターンAとBの違いは、「印刷版のみ」が入っているかどうかの違いしかありません。
実は、この「印刷版のみ」がおとりの選択として機能していたのです。
「印刷版のみ」と「印刷版+web版」の値段を同じにしたことで、「印刷版+web版」のお得感が顕著に表れています。
印刷版だけでも12,000円なのに、web版とセットでも同じ金額??
これはお得だ!!
そんな思考になり、本来「web版」だけで良いと思っていた人も「印刷版+web版」を選んでしまったのです。
似ているものとの比較
人は比較するとき、比較しやすいものだけ比較し、比較しにくいものは無視します。
あなたが車を買い替えるとしましょう。
車Aと車Bを比較したとき、価格帯は同じだけど機能が全然違うため、比較しにくいです。
あなたが迷っている中、「車A」の明らかな劣化版である「車A’」が加わるとどうなるでしょうか。
「車A’」は、「車A」の明らかな劣化であり、比較がしやすいです。
比較しづらい「車B」は無視して、結果「車A」が選ばれます。
「車A」と「車B」は比較しずらい。
でも「車A」は「車A’」よりも優れているのは確かである。
「車B」よりも「車A」の方が優れているんじゃないか。
という思い込みで「車A」が選ばれるのです。
予測の効果
2つ目は、「予測の効果」です。
皆さんがステーキを食べる際、どちらのシェフの方がおいしそうに感じるでしょうか?
もちろん、黄色いひげのシェフのステーキが、おいしそうですよね。
実際、同じステーキ肉でも「高級な和牛」と伝えられた方がおいしく感じるのです。
言葉の違いだけで、味に影響が出るのです。
また、スーパーで買ってきた肉を「高級な肉」と偽ってもおいしく感じるのです。
「高級な肉」はおいしいに違いない!
これが、予測の効果です。
「予測の効果」は、本を読む前から薄々感じていました。
TVで時々見る「芸能人格付けチェック」でも似たようなことをやっていますよね。
どの料理が高級なのか分からないまま食べて、高い料理を当てる。
でも間違える人が多いですよね。
これは、普段「予測の効果」の影響が大きいからだと考えます。
普段の料理は、料理の値段や店の雰囲気で味を「予測」します。
結果、値段が高くて店の雰囲気も良ければ美味しく感じます。
この予測が無い状態だと、高い料理が分からなくなる。というわけです。
私は、この「予測の効果」を否定的に考えていました。
予測により、物事の本質が分からなくなってしまうと。
しかし、「予想どおりに不合理」で出会った言葉で考えが変わりました。
肯定的な予測は、ものごとをもっと楽しませてくれるし、まわりの世界の印象を良くしてくれる。
何も期待しないことの害は、それ以上に何も得られずに終わってしまうかもしれないということだ。
ダン・アリエリー「予想どおりに不合理」株式会社早川書房 p315
先ほどの例に戻ると、「高級なステーキ」という情報を知らないまま食べたら、感動も半減してしまうかもしれません。
「予測の効果」により、同じステーキを食べることがより感動的になるのです。
社会規範と市場規範
続いて最後、「社会規範と市場規範」です。
あなたは、友達を家に招待することになりました。
そして当日、家に訪れた友達は、お礼を持ってきてくれました。
さて、どちらの友達の方が好感を持てるでしょうか?
お礼にプレゼントをくれた友達の方が、好印象ではないでしょうか?
お礼として現金を持ってくる友達は、好感持てないですよね・・・
これは、なぜなのでしょうか。
それは、「社会規範と市場規範」で説明がつきます。
社会規範:社会交流に必要。隣人や家族と協力して社会を生きていくため。
市場規範:ビジネスの世界。お金で取引され、支払った分の見返りを求める。
友達との交流は、「社会規範」になります。
仕事の業務で友達になっているわけではありません。
対してお金は、「市場規範」に属しています。
「社会規範」と「市場規範」が混ざってしまったとき、トラブルが起きてしまいます。
友達との交流「社会規範」に、お金「市場規範」を持ち込んでしまったため、印象が悪くなってしまったのです。
ここで不思議なのが、直接お金を持ち込まなければ、「社会規範」が保たれるということです。
プレゼントも結局はお金で買ったものですが、一旦プレゼントという別のものに変換されることで、「社会規範」に属するようになります。
良い例にギフトカードがあります。
ギフトカードは、お金と同じように使えますが、「社会規範」に属します。
友達からお礼としてもらっても違和感ないでしょう。
行動経済学って面白い!
行動経済学の一例を紹介してきました。
いかがだったでしょうか?
私は、普段何気なく取っている行動が、実は不合理な選択だったことが衝撃的でした。
ここで紹介したものは、「予想どおりに不合理」で出てきたほんの一例に過ぎません。
行動経済学に興味を持った方は、ぜひ読んでみてください。
新たな発見が見つかるはずです!!
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