こんにちは、あらいぐまです。
今回読んだのは、柚月裕子さんの「慈雨」です。
群馬県警を定年退職した神場は、ある思いから四国のお遍路へと旅立つ。
お遍路の途中、少女誘拐殺人事件が起きたことを知り、神場は動揺する。
それは、16年前に自分が担当した事件と酷似していたからだった…
警察小説
ミステリー
四国のお遍路旅
冤罪
久々に濃密な警察小説を読みました。
それも、若い刑事がハラハラドキドキ活躍というのではなく、定年退職したおじさんの警官がお遍路中に事件について考えるという渋さ。
だけど、その渋さがかっこいい。
神場たちは、最後に重大な決断をすることになるのですが、そのシーンがしびれる。
刑事一本で定年まで勤め上げた神場だからこそ、その決断に重みが出ていた。
探偵小説では、あまり目立つことのない刑事だが、この小説では違う。全員かっこいい。かっこよさがセリフにも出ている。
もう限界です。そう訴える緒方を見据えながら先輩は言った。
「俺たち捜査員よりも、辛い思いをしている人がいる。事件の被害者と遺族だ。その人たちの辛さや悲しみを思ってみろ。いま口にした言葉を、お前はまだ言えるのか」
柚月裕子「慈雨」株式会社 集英社 127p
被害者と遺族のために、自分たちは弱音を吐けない。
一日でも早い犯人逮捕のために頑張らなくてはいけない。そういった熱い思いが表れている言葉だと思う。
また、この小説では、冤罪というテーマにも触れ、刑事としての葛藤や覚悟が表現されていました。
ミステリー小説では、しばしばこの冤罪というテーマに触れられることがあります。
最近読んだものだと、高野和明さんの「13階段」でしょうか。
「13階段」では冤罪にされた側の視点を描き、この「慈雨」では刑事の視点で書かれています。
「13階段」を読んだことのある人は、「慈雨」を一度読んでみてもよいかと思います。
冤罪事件って私たちが知らないだけで、まだまだあるんじゃないかと思うと怖いですよね。
もし、自分が無実の罪で捕まってしまったら。
事実を否定しても警察はあきらめてくれず、最後には尋問に耐え切れなくなって自白してしまう・・・
冤罪がテーマの物語を読んでいると、そんな想像をしてしまいます。
小説やドラマの見過ぎでしょうか。
個人的に、私の出身地の警察がでてきてテンションが上がりました。
小説の中で、自分になじみがあるものが出てくるとテンション上がりますよね。
ということで、今回は柚月裕子さんの「慈雨」を読みました。
ぜひ、興味があれば一読してみてください。
ありがとうございました。
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