こんにちは、あらいぐまです。
今回は、伊坂幸太郎さんの「ペッパーズ・ゴースト」を読みました。
中学教師である壇は、ある条件下で他人の未来が視えるという特殊能力を持っている。
ある日、教え子の父親が行方不明になってしまい、行方を捜すことに。
父親の知り合いだと言う男の未来を視ると、そこには監禁された父親の姿があった。
教え子の父親の行方を捜す壇は、その後事件に巻き込まれていく・・・
伊坂幸太郎さんらしさ全開の小説でした!!一般人が大変なことに巻き込まれていく感覚は、「ゴールデンスランバー」や「グラスホッパー」に似ていますよね。
この小説のタイトルにもなっている「ペッパーズ・ゴースト」とは何かわかりますか?
劇場などで使われる視覚トリックのこと。
鏡を使用することで、その場に実在しない演者や小道具を見せる手法。
読み終えた後、この小説のすべてを表しているタイトルだと感じるはずです。
中学教師の特殊能力
この小説の主人公である中学教師の壇には、ある特殊能力があります。
それは、他人の明日が少しだけ観えるというものです。
壇はこのことを「先行上映」と呼んでいます。
先行上映の発動条件も面白い設定で、飛沫感染により観ることができます。
そのため、ある人物の未来を観たいと思ったときに、相手が飲んでいたコップを飲むといった行為をしなければいけません。
現実と小説のつながり
「 ペッパーズ・ゴースト 」には、壇先生の教え子が書いた自作小説が所々に挿入されています。
壇先生の「現実パート」と自作小説の「小説パート」といった感じで、それぞれ物語が進んでいきます。
最初は、「小説パート」が何のために挿入されているか分からず、戸惑いながら読んでいました。
中盤になると、この「小説パート」が挿入されている理由が分かります。
なぜ「小説パート」が挿入されているのか、「現実パート」とのつながりとは何か。
物語の核となる部分ですので、ネタバレは控えますが、「えっ、どういうこと?」と驚くはずです。
「小説パート」と「現実パート」は、あくまでもこの本の中の話です。
しかし、私たち読者のいる世界(現実パート)とペッパーズ・ゴーストという小説「小説パート)の関係にも言えることだと思い、怖くなりました。
読んだ人なら、このことが分かるはずです!
印象に残っている言葉
ニュースはたいがい、嫌な話しか取り上げないんですよ。
取り上げることができない、と言ってもいいかもしれません。
もちろん良いニュースも流すこともありますが、
それは、ニュースとして価値があるくらい、とびぬけて良い話の場合です。
ごく普通の、いい話はニュースになりません。
伊坂幸太郎「ペッパーズ・ゴースト」朝日出版社 p249
確かにその通りだなと感じます。
ニュースを見ると、ほとんど悲しいニュースばかりです。
このことに関連して、思い出したことがあります。
それは、嫌なニュースばかり放送していることで、犯罪は増え続けていると勘違いしている人が多いというものです。
実際私も、そう言われるまでは、「時代とともに犯罪は増えている、嫌な世の中になったな」と感じることがありました。
しかし、実際に調べてみると犯罪率は減少しているのです。
なんとなく感じている印象が、実は間違いだったという典型的な事例だと思います。
実際に自分で調べると、真実が分かるのですが、そんな面倒なことしませんよね。
その結果、なんとなくの印象で物事を判断してしまっているのです。
最後に
久しぶりの伊坂幸太郎さんの小説、読む手が止まりませんでした!
・伊坂幸太郎らしさ全開の小説
・特殊能力の設定が斬新
・現実と小説の繋がりとは?
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