こんにちは、あらいぐまです。
今回は、柚月裕子さんの「盤上の向日葵」を読みました。
この小説は、2018年の「このミステリーがすごい!」でノミネートされていて、そこから気になっていました。
ですが、将棋の世界が舞台となっているため、将棋のルールが分からなかった私は躊躇していました。
次読む本を探している時に、「そういえば、読んでなかったな・・・」と思い、今回読もうと決心しました。
結論から言うと、将棋のルールなんて分らなくても、めちゃくちゃ面白かったです!!
たしかに、将棋を指す場面が何回か出てくるのですが、どちらが優位なのか文章で説明されてるので、正直そこさえ把握できてれば問題ないかと思います。
将棋のルールを無理に分かろうとしないで、分からない部分は読み飛ばしていく。
それでも充分楽しめました!!
・一人のプロ棋士を取り巻く重厚な人間ドラマ
・ページをめくる手が止まらないミステリー
・リアルで魅力的な”おじさん”たち
・将棋世界のことが小説を通して分かる
あらすじ
埼玉県の山中で、身元不明の白骨死体が発見された。
その白骨死体の唯一の手掛かりは、名匠が作った高価な将棋の駒。
事件を捜査する2人組の刑事。
なぜ、高価な将棋の駒を死体と一緒に埋めたのか。
アマチュアからプロ入りした上条六段との関係は?
プロ棋士の壮絶な人生
「盤上の向日葵」では、事件を捜査する刑事の視点である現在と、プロ棋士の上条六段の過去が章ごとに交互に分かれて進んでいきます。
なぜ高価な駒が、死体と一緒に埋められていたのか・・・
上条六段との関係は?
先が気になる展開で、ページをめくる手が止まりませんでした・・・
読者を飽きさせないミステリーの要素も魅力的ですが、この小説の一番の魅力は、
上条六段を取り巻く人間ドラマだと思います。
過去から現在まで、上条の周りにいる”おじさん”が濃いんです。
庸一:上条の父親。若くして妻を失い、ギャンブルに熱中してしまう。上条に虐待しており、育児放棄状態。
唐沢:元教師。上条に将棋を教えた。上条が虐待に遭っていることを知り、上条に手を差し伸べる。
東明:将棋の真剣師(賭け将棋専門の将棋指し)。大学に入ったばかりの上条に真剣師の勝負を見せる。
こんな濃い “おじさん” たちに囲まれた上条の人生は、壮絶なものでした。
ミステリー要素もさることながら、この人間ドラマの先がどうなるのかも気になり、どんどんページをめくっていました。
柚月裕子さんの小説に出てくる”おじさん”ってなんだか魅力的に映りますよね。
とてもリアルで、想像できるんです。
嫌な “おじさん” は徹底的に嫌な部分を見せる。
刑事は、どこかとっつきにくいが、渋くてカッコいい。
“おじさん” の書き方がめちゃくちゃ上手だと感じます。
将棋界について
この小説では、プロ棋士の厳しい世界が説明されています。
・奨励会に入会して、そこで四段になるとプロ棋士と認められる。
・奨励会の入会条件:満19歳以下で、四段以上のプロ棋士の推薦が必要。
・満21歳までに初段にならなければ、退会。
・満26歳になるまでに四段に昇格できなければ、退会。
・最後の満26歳になるまでに四段というのが大変で、半年に1回行われる「三段リーグ」で上位2位に入らなければ四段になれない。「地獄の三段リーグ」と呼ばれる
いや、年齢制限厳しすぎる・・・
将棋のプロになるには、ものすごく狭い門で、厳しい世界だということが分かりました。
ん?待てよ。最近もTVで見た藤井聡太君くんって「竜王」ってタイトル持ってるよな。何段だっけ?
と思い、藤井聡太くんについて調べました。
藤井 聡太(19)※2021年現在
・14歳で四段昇格、プロ入り。
・公式最多連勝29連勝。
・史上初の10代で九段。
・四冠(竜王・王位・叡王・棋聖)
規格外すぎますね。
将棋界をよく知らない私でも、すごいのは分かります。
三段リーグが地獄だというのをネット記事とかでも見てたので、その地獄を14歳で突破って・・・
この小説を読んで、改めて藤井くんのすごさが分かりました・・・
また、「3月のライオン」(羽海野チカ 白泉社)で登場する桐山零も調べてみました。
桐山零(19)※単行本16巻現在
15歳で四段昇格、プロ入り。
19歳時点で六段。
漫画の主人公よりすごい藤井くん・・・
将棋の世界を少しだけ知れたことで、今後の藤井くんの活躍にも注目したいと思います。
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