こんにちは、あらいぐまです。
今回は、潮谷験さんの「スイッチ 悪意の実験」を読みました。
この本は、63回メフィスト賞を受賞した作品です。
前回のメフィスト賞を受賞した五十嵐律人さんの「法廷遊戯」が面白かったので、期待して読みました。
本の表紙もきれいですよね。手元に残しておきたくなる表紙です。
あらすじ
大学生を含む6人が、ある心理コンサルタントの実験に参加した。
その実験とは、「純粋な悪」の存在を証明するための実験だった。
学生たちのスマートフォンには、スイッチのアプリがインストールされ、
そのスイッチを押すと、ある幸せな家族を経済的な破滅に追い込むことができる。
スイッチを押しても押さなくても、アルバイトの報酬は変わらない。
つまり、スイッチを押すメリットが全くない。
そんな条件で、誰も押すわけがないと思っていたが・・・
純粋な悪意
この実験の主催者である安楽是清は、純粋な悪についてこう言っています。
悪を『汚れ』に置き換えて考えたらいいんだよ。たとえば、Tシャツに付いた泥の汚れ、コーヒ
ーの汚れ、油汚れ・・・洗濯機にぶちこんで、最終的に油汚れだけ落ちなかったら、一番たちが悪いのは油汚れ、って結論になるでしょう。
(中略)
貧困のために盗みを犯す人間がいる。他国の富を求めて侵略戦争を仕掛ける国家が存在する。これらの悪行は、潤沢な資源が全世界に行き渡れば姿を消すだろう。
(中略)
では憎しみ、怒りが引き起こす悪行は?これはさっきの悪に比べると厄介だけれど、対処が不可能ってわけじゃない。なぜなら怒りも憎しみも、その理由、対象がなければ発生しないものだからだ。
(中略)
突き詰めて考えると、理由の存在する悪は、文明の発展と共に減少することは確実です。(中略)だとすれば、理由のない悪が最も恐ろしい。理屈も意図もないものは予測も、抑制もできないからね。
「スイッチ 悪意の実験」 塩谷験 株式会社講談社 27p-28p
スイッチの実験で証明したいのは、この「理由なき悪意」です。
メリットが無い中で、ただ単純に家族を破滅に追い込む悪意が存在するのでしょうか。
スイッチの行方
もうお気づきかとは思いますが、このスイッチは押されてしまいます。
しかし、誰が押したか分からなくなるという状況で押されたため、誰がスイッチを押したのかを探し出すという風に物語は進んでいきます。
スイッチを押したのは誰なのか。
なぜ、人に知られないようにスイッチを押したのか。
実験にされた家族の行方は・・・
ぜひご自身の手で確かめてみてください!
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