【クスノキの女神】感想・心に刺さった言葉【東野圭吾】

クスノキの女神 ネタバレ
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こんにちは、あらいぐまです。

今回は、東野圭吾さんの「クスノキの女神」を読みました。

「クスノキの女神」は、前作「クスノキの番人」の続編にあたります。

前作を読まなくても楽しめますが、前作を読んでいた方が楽しめます!

「クスノキの女神」は、ある不思議な力を持つクスノキをめぐる物語。

その力とは、血縁者の人間に限り、クスノキに祈った思いを渡せるという力です。

クスノキの祈念

預念:新月の夜、自分が伝えたいことをクスノキに念じる。

受念:満月の夜、クスノキで預念者のことを思うと、預念された思いが伝わってくる。

→預念者が伝えたいことについて、感じたこと・考えたことすべて伝わってくる。

人はクスノキになぜ思いを残すのか、何を残すのか。

その理由や思いを知った時、胸が熱くなります・・・

「クスノキの女神」では、忘れてしまう病気とどのように向き合っていくのかを考えさせられました。

主人公の叔母は、軽度認知症を患っており、忘れていく恐怖と闘っています。

さらに、物語の重要人物である少年は、翌日に記憶を持ちこせない記憶障害を患っています。

この2人が病気とどのように向き合っていくのか・・・

あらいぐま

一気に読んで、その結末に号泣しました・・・

目次

あらすじ

神社に詩集を置かせてくれと頼んできた女子高生の佑紀奈には、玲斗だけが知る重大な秘密があった。
一方、認知症カフェで玲斗が出会った記憶障害のある少年・元哉は、佑紀奈の詩集を見てインスピレーションを感じる。
玲斗が二人を出会わせたところ瞬く間に意気投合し、思いがけないプランが立ち上がる。
不思議な力を持つクスノキと、その番人の元を訪れる人々が織りなす物語。

実業之日本社HP

主な登場人物

登場人物

直井 怜斗:月郷神社にあるクスノキの番人に命じられる。

柳澤 千舟:怜斗の叔母。柳澤グループが管理していたクスノキの管理を怜斗に任せる。軽度認知症を患っている。

早川 佑紀奈:高校3年生。詩集「おーい、クスノキ」を月郷神社に置いてもらうよう怜斗に依頼。

針生 元哉:中学2年生。次の日の記憶を持ちこせない記憶障害を患っている。

心に刺さった言葉

名言

「クスノキの女神」は、前を向いて歩こうと思える物語です。

その中でも、特に心に刺さった言葉を2つ紹介します!

この言葉が「クスノキの女神」根幹のテーマだと考えます。

明日からのことを案ずる必要もありません。

これからどうなるかとか、どうすべきかなど、考えることに意味などないのです。

それらは、まだ起きていないからです。

大切なのは今です。

今、健全な心を持っているのなら、それで幸せなのです。

東野圭吾「クスノキの女神」株式会社 実業之日本社 p282

未来のことは未来の僕に任せるしかないのだから。

東野圭吾「クスノキの女神」株式会社 実業之日本社 p286

この物語のテーマは「今を生きることの大切さ」だと考えます。

物語の軸である千舟と元哉は、忘れてしまう病気と闘っています。

認知症の症状が進んでいる千舟、記憶障害を持つ元哉にとって、将来は不安と絶望で覆われています。

しかし、将来のことを気にして「今」を大切にできないのは、もったいない

2人は、物語を通してそのことに気づいて前を向いて生きていきます。

これは、私たちも同じです。

結婚・子育て・転職・介護・老後・・・将来への不安要素は盛りだくさんです。

ですが、そのことを考えすぎて「今」を犠牲にしてはもったいないです。

「今」という時間は二度と戻ってこないのに、起きてもない未来のことに時間を使っているヒマはありません。

「今」を全力で大切にするべきです。

未来のことは未来の自分に任せましょう。

日々の生活が少しだけ前向きに考えられる物語でした。

あらいぐま

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この記事を書いた人

はじめまして。
あらいぐまと申します。
読書とソロキャンプが趣味の28歳の会社員。
ミステリ小説多めです。
読んだ本の感想や考えたことを発信します!

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