こんにちは。あらいぐまです。
今回は、道尾秀介さんの「きこえる」を読みました。
斬新な小説を多く書いている道尾秀介さんの最新作。
「きこえる」最大の特徴は、目で読むだけでなく耳で推理するということです。
どういうこと??
この作品は耳を使って体験するミステリーです。
作中に二次元コードが現れた時は、そこから「ある音声」が再生できます。
道尾秀介「きこえる」株式会社講談社 p3
「きこえる」は、5つの物語で構成されています。
その一つ一つに「QRコード」があり、それを読み取ることで、物語の真相に迫った音声を聞くことができます。
音声を聞いた瞬間、鳥肌立ちます・・・
「小説は目で読むもの」という常識を覆す小説です。
道尾秀介さんは、最後の写真で真相がわかる「いけない」や読む順番で物語の意味が変わる「N」など、斬新な設定の小説を多く書いています。
写真の意味に気づいたとき、物語の真相が明らかになる・・・【いけない】
読む順番で物語の意味が変わる?【N】
音声を聞いて真相を推理する「きこえる」は、その中でも今までにない読書体験を約束してくれます。
小説の可能性を広げてくれました!!
ぜひ、今までにない小説を味わってください!
耳で推理する
目だけではなく、耳で感じるミステリー小説。
「QRコード」で読み取る声・音が、物語の真相に迫る重要な意味を持ちます。
ああ!そういうことか!
とすぐに真相が分かる話もあったのですが、
え・・・どういうこと?なんで??
と音声を聞いてすぐには理解できない話もあります。
文字で把握していた情報と音声で聞いた情報の矛盾。
その矛盾を成立させるために、真相を考えること。
これが、耳で推理するということです!
この耳で推理するという経験がなかったので、斬新で面白かったです。
音声を聞いた後に真相を考えるのが、むちゃくちゃ楽しかった!!
面白かった順番
「きこえる」は独立した5つの物語で構成されています。
個人的に面白かった順番は、以下の通りです。
①死者の耳
「QRコード」を読み取ることで、衝撃の真相が明らかになります・・・
タイトルが鏡文字になっており、目を引きます。
音声を聞いた後、物語がどんでん返しされます!
➂ハリガネムシ
音声の使い方に鳥肌立ちました・・・
④聞こえる
最後の音声を聞いた時、切なかったです・・・
⑤セミ
最初読んだ時は、ラスト部分が理解できなかったのですが、音声を聞くと真相が明らかに。
「にんげん玉」タイトルの意味
以下、物語の結末には触れませんが、若干ネタバレになる可能性がございます。
本当のタイトルは、鏡文字になっているこちらです。
このタイトルだけ鏡文字になっており、目を引きます。
なぜ鏡文字になっているのでしょうか。
これは、物語の真相を現していると考えます。
物語には、100円玉が登場する描写があります。
その中で、主人公は100円玉の表と裏を勘違いしていたことを思い出します。
100円玉って、「100円」と書かれている側が裏なんですよね。
私も昔は、「100円」と書かれている側を表だと思っていました。
物語には、2人の男性が登場します。
どちらが「表」でどちらが「裏」か。
それを登場人物たちに置き換えることで、「にんげん玉」と表現しています。
そしてさらに、鏡文字になっている。
これは、全てが反転していることを表現しているのではないかと考えました。
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