【感想】犯人目線のドキドキ感が味わえます!【相沢沙呼 invert 城塚翡翠倒叙集】

invert 城塚翡翠 倒叙集
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こんにちは、あらいぐまです。

今回は、相沢沙呼さんの「invert 城塚翡翠倒叙集」を紹介したいと思います。

今作は、2019年度に「このミステリーがすごい!」で1位を獲得した「medium 霊媒探偵 城塚翡翠」の続編です。

「medium 霊媒探偵 城塚翡翠」 がめちゃくちゃ面白かったので、期待しながら読み進めました。

感想は・・・・続編もめちゃくちゃ面白い!!

前作で、城塚翡翠 を知っているからこそ、続編の今作も十分楽しむことができました。

今作は、前作の 「medium 霊媒探偵 城塚翡翠」 を読んでから読むことを強くお勧めします。

なぜなら、前作のネタバレが書かれているからです。

今作を読んでいない方は、前作を読んでからにしてください。

 

それでは、ネタバレにならないよう本作の魅力を伝えたいと思います!

目次

倒叙推理小説だからこそ味わえるドキドキ感

この推理小説、普通の推理小説じゃないんです。

最初から犯人が分かっている“倒叙推理小説”という形式をとっています。

本の題名にもなっている「invert」は、”反転”という意味がありますが、「 invert detective story」だと”倒叙推理小説”という意味になります。

この倒叙推理小説、「犯人が分かってるなら推理する楽しみないじゃん」と思いがちですが、なかなかに楽しめます。

 

探偵役より有利な読者

普通の推理小説では、読者も探偵役も犯人が分からないまま、探偵役が推理で犯人を突き止めていきます。

そのため、読者も犯人が誰か予想しながら読み進めることになります。

一方、倒叙推理小説では、読者にのみ犯人が知らされています。

トリックまで全て判明している場合もありますが、本作では重要なトリックは読者に知らされていません。

本作では、読者もトリックを推理するのですが、城塚翡翠よりも有利な立場にいます。

城塚翡翠は、トリックも犯人もわかりません。しかし、読者は、犯人が誰か知っています。

読者は、城塚翡翠より有利な立場でトリックを推理するわけです。

しかし、有利な立場にいるのに全然トリック分からないんですよね・・・

この推理するのが楽しいんですよね。結果、城塚翡翠に負けても。

犯人目線のドキドキ感

本作は、犯人目線でも話が進みます。

そのため、犯人が徐々に追いつめられていく様子が臨場感たっぷりに描かれます。

殺人を犯してしまった犯人の罪悪感に加えて、徐々に城塚翡翠が追い詰めてくるドキドキ感は、読む手が止まりません。

探偵としてトリックの推理を楽しめると同時に犯人目線のドキドキ感が味わえるのです!!

推理小説の楽しみ方を考えさせられる

作中で城塚翡翠が、推理小説についてこんな話をしています。

「推理小説は、推理を楽しむよりも、驚くことが目的となって読まれているんじゃないでしょうか。意外な犯人に意外な結末。推理小説といいながら、驚きの犯人や意外な結末さえ示せれば、探偵の論理なんてどうでもいいのです。(中略)」

「ミステリとは、すなわち謎、そして推理小説とは、つまり推理する小説・・・・。だというのに、普通の人たちが求めているのは、びっくり小説、驚き小説、予測不可能小説なんですよ

相沢沙呼「invert 城塚翡翠倒叙集」株式会社講談社 p297

この城塚翡翠の言葉には、耳が痛い思いでした。

たしかに、ミステリー小説を読む中で、意外な結末を期待している自分がいます。

そして、その以外な結末に驚き楽しんでいます。

城塚翡翠が言うように、本来の推理小説は、ある事件を探偵役が推理し、読者も同じように推理を楽しむものだったのだと思います。

しかし、その推理する楽しみではなく、驚きを期待している読者・・・・

推理小説の本来の楽しみ方を考えさせられる言葉でした。

 

多くの推理小説は、読者も考えようとするのですが、全然わからなくてお手上げ状態なのだと思います。

私もそうです。

ですが、読者に犯人があらかじめ判明している本作では、「ちょっとがんばってみようかな」と思えます。

そのため、推理小説の本来の楽しみである「推理する楽しさ」が味わいやすいと思います。

驚くことが目的となっている・・・と話していますが、今作も驚く要素はあります!

「ええ!?だまされてた!!」となるはずですので、最後まで読むことをおすすめします。

 

今回は、 相沢沙呼さんの「invert 城塚翡翠倒叙集」 を読みました。

まとめ

☑探偵役よりも有利な読者

☑トリックを推理する楽しさと犯人目線のドキドキ感が味わえる

☑推理小説の楽しみ方について考えさせられる

☑最後に待ち受ける驚き

気になった方は、ぜひ読んでみてください!

ありがとうございました!!

あらいぐま

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この記事を書いた人

はじめまして。
あらいぐまと申します。
読書とソロキャンプが趣味の28歳の会社員。
ミステリ小説多めです。
読んだ本の感想や考えたことを発信します!

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