こんにちは、あらいぐまです。
今回は、相沢沙呼さんの「invertⅡ 覗き窓の死角」を読みました。
「城塚翡翠」シリーズの第3作品目です。
とりあえず・・・「翡翠ちゃんかわいい」
今作は、2編の中編小説です。
・生者の言伝
・覗き窓の死角
シリーズ第1作目「medium 霊媒探偵 城塚翡翠」は、ドラマ化も予定されている人気作品です!
「medium 霊媒探偵 城塚翡翠」を初めて読んだ時の衝撃が強すぎて今でも鮮明に記憶しています・・・
ドラマ化、めちゃくちゃ楽しみです!
探偵の推理を推理する
“倒叙推理小説”という言葉をご存じでしょうか?
あらかじめ犯人が分かっている状態で、進められていく推理小説です。
前作の「invert 城塚翡翠倒叙集」と同じ形式ですね。
この倒叙推理小説、普通の推理小説と違う楽しみ方があり、面白いです。
この「invert」の面白いところが、読者への挑戦状があるということです。
物語が事件の解決編に至る前に、翡翠から読者へ挑戦があります。
犯人は自明。
ただし、わたしはこう問いかけましょう。
あなたは、探偵の推理を推理することができますか、と
相沢沙呼「invertⅡ 覗き窓の死角」株式会社講談社 p386
推理小説を読んでいる時、自分ではあまり考えず探偵役の推理に任せっきりになっていませんか?
私自身もそういうことがよくあります。
早く結末が知りたくて推理してなかったこともありました・・・
でも推理小説には「推理する楽しみ」があると思うんです。
翡翠からの挑戦状があることで、読者は読み進めるのを待って自分で考えようとします。
「invert」では、翡翠からの挑戦によって「推理する楽しさ」を伝えています。
殺人に対する翡翠の強い思い
「城塚翡翠」シリーズの3作目である今作では、殺人に対する翡翠の強い思いが現れていました。
「覗き窓の死角」では、妹の復讐のため殺人を犯した姉が登場します。
倒叙推理小説であり、犯人側からの視点でも物語が進んでいくため、犯人側に同情してしまうんですよね・・・
殺人を犯してしまう気持ちも分かる気がする・・・・
そんな犯人と読者に対して、翡翠は猛烈に批判します。
人を殺してもいい正当な理由なんて、どこにもありません。
(中略)
それなら、正当な理由とはなんです!誰がそれを判断するのですか!
誰にその判断ができるというのです!
その身勝手な判断で大切な人を殺されても赦せるのですか!
どんな理由でなら、殺されても赦せるのですか!
(中略)
相手が悪人なら殺してもいいのですか!それを悪だと判断するのは誰なのです!
人間の下す判断と意思なんて、本当はもっといい加減で脆弱なものなのですよ!
そんな独善的な勘違いで、大切な人を殺されてたまるものですか!
わたしは赦せない!どんな理由でも赦しません!
なにか理由があれば人を殺していいなんて理屈は、いつか必ず自分の身に降りかかるのです!
相沢沙呼「invertⅡ 覗き窓の死角」株式会社講談社 p423-424
翡翠がここまで感情をむき出しにして怒っているのを初めて見ました。
それだけ「殺人」を赦せないことだと考えているのだと思います。
前作の「invert 城塚翡翠倒叙集」でも「殺人」は赦されるものではないと話している場面がありました。
なぜ翡翠がここまで「殺人」を赦せないものになったのでしょうか。
それはまだ語られていませんので、今後の続編を楽しみに待っています!
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