こんにちは、あらいぐまです。
今回は、阿部暁子さんの「カフネ」を読みました。
「カフネ」は、おいしい料理を通じて、人が前を向いて生きていこうとする物語。
それだけではなく、ミステリー要素もあり、先が気になりどんどん読み進められました。
「カフネ」を読んで面白いなと思ったのが、主人公の薫子とせつなの息の合った会話です。
(ガトーショコラについて言及している場面)
せつな:「まぁ、カロリー大爆発の悪魔の食べ物ですけど。」
薫子:「生きていくためには、たまに悪魔に魂を売る必要もあるわよ。」
阿部暁子「カフネ」株式会社講談社 p117
この「悪魔に魂を売る」っていう表現が、めちゃくちゃ好き!
カロリーが高いガトーショコラを食べる罪悪感をユーモアにしています。
こんな2人のユーモアたっぷりの会話が随所に出てきます!
また、「カフネ」にはミステリー要素があり、ページを読む手が止まりませんでした。
主人公である薫子の弟が原因不明の急死を遂げる。しかし、その死には謎が残っていた・・・
①死ぬ直前に法務局にて遺言書を作成していた。
➁毎年、薫子の誕生日にお互い会ってプレゼントを渡していた。しかし、今年の誕生日当日に亡くなった弟から配送でプレゼントが送られてきた。
→まるで自分の死を知っていたかのような振る舞い・・・
あらすじ
一緒に生きよう。あなたがいると、きっとおいしい。
やさしくも、せつない。この物語は、心にそっと寄り添ってくれる。法務局に勤める野宮薫子は、溺愛していた弟が急死して悲嘆にくれていた。弟が遺した遺言書から弟の元恋人・小野寺せつなに会い、やがて彼女が勤める家事代行サービス会社「カフネ」の活動を手伝うことに。弟を亡くした薫子と弟の元恋人せつな。食べることを通じて、二人の距離は次第に縮まっていく。
株式会社講談社HP
登場人物
野宮 薫子:41歳、法務局勤務。弟の春彦の死後、せつなと共に家事代行サービス「カフネ」で掃除を担当する。
野宮 春彦:29歳、製薬会社勤務。突然、原因不明の死を遂げる。
小野寺 せつな:29歳、「カフネ」に勤務。過去、春彦と交際していた。
滝田 公隆:41歳、弁護士。薫子の元夫。
常盤 斗季子:43歳、「カフネ」の代表。
心に刺さった言葉
「カフネ」を読んで、心に刺さった言葉を紹介していきます!
生きるために最低限必要なこと
お腹が空いていることと、寝起きする場所でくつろげないことは、だめです。
子どもも大人も関係なくどんな人にとっても。
阿部暁子「カフネ」株式会社講談社 p84
せつなが、家事代行サービスで出会った子どもに言った言葉。
子どもに対しても大人と話すように正面から向き合って話す姿勢が好きです。
お腹が満たされていること、寝起きする場所でくつろげること、この2つは生きるために最低限必要なことです。
この最低限なことさえ難しい状況に陥っている人のため、「カフネ」は家事代行サービスを提供します。
「カフネ」の目的を表す言葉であると同時に、この本のメッセージだと感じます。
生きていくために
おいしいって思うことが、楽しいって思うことが、うれしいって思うことが、生きていくためにどれだけ大事か、あなたこそよくわかってるんじゃないの。
阿部暁子「カフネ」株式会社講談社 p257
お腹が満たされていること、寝起きする場所でくつろげること、この2つは生きるために最低限必要なことです。
ですが、最低限なことだけでは、いつか心がすり減ってしまいます。
ただお腹が満たされるだけでなく、おいしいと思えること。
さらに、楽しさや嬉しさといったプラスの感情。
人が人らしく生きていくためには、これらプラスの感情が必要になってきます。
まとめ
「カフネ」を読んで、おいしい料理と掃除が、人の心の栄養や余裕につながるのだと感じました。
日々の生活が忙しくこの2つに手が回せないと、心も病んでしまう。
主人公である薫子の成長を通じて、私も気持ちを改めるきっかけになりました!
また「カフネ」には、春彦の死の真相は?というミステリー要素もあります。
春彦の思いに気づいた時、目頭が熱くなります・・・
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