こんにちは、あらいぐまです。
今回は、米澤穂信さんの「黒牢城」を読みました。
・歴史小説に苦手意識がある人こそ読んで欲しい。
・読書の新しい扉を開けてくれた一冊。
・戦国時代という特殊設定ミステリーで楽しめる。
・歴史に思いを巡らすことができる。
・ラストの驚くべき真実。
米澤穂信さんの小説で好きなのは、「氷菓シリーズ」や「折れた竜骨」、「王とサーカス」が思い浮かびます。
そのどれとも似つかない「黒牢城」ですが、ミステリー要素の部分は面白く、さすがでした!
歴史小説が苦手だった私
この「黒牢城」は、以下の名だたる賞を獲得しています!
・このミステリーがすごい! 1位
・ミステリが読みたい!2022年版 1位
・週刊文春ミステリーベスト10 1位
・2022年本格ミステリ・ベスト10 1位
・第166回直木賞 受賞
・本屋大賞ノミネート
直木賞の受賞は、ニュースにも取り上げられていたので、話題になりましたね。
私が、この本に興味を持ったのは、「このミステリーがすごい!」で1位になった時でした。
しかし、そこで「読みたい!」と思わなかった理由があります。
それは、「黒牢城」が歴史小説だからです!
私は、歴史に苦手意識があり、歴史小説には手を出したことがありませんでした。
読んだこともないのに、勝手に嫌いになっていたんですね。
読まず嫌いってやつです。
「このミス」1位は気になるけど、歴史小説だからな・・・
ですが、この思いは後に大きな誤りだったことに気づかされます。
そんな私が重い腰を上げて読もうと思ったのは、直木賞受賞のニュースを見たときです。
ここまで話題になってるのに読まないのはもったいないかな。読書の幅を広げる良い機会かもしれない!
この「黒牢城」をきっかけに読書の幅を広げようと思い至りました!
結果、この判断は大正解でした。
まさか自分が歴史小説を夢中で読む日が来るとは思いもつかなかったです。
歴史小説に苦手意識がある人こそ読んで欲しい!
私にとって「黒牢城」とは、読書の新しい扉を開けるきっかけになった本です。
歴史のことを知らなくても楽しめる
私が歴史小説を読まず嫌いしていたのは、高校の時に学んだ日本史の影響だと思います。
必修でとらなければいけない日本史では、源義経、源頼朝、源義家・・・・
いや、「源~」多すぎる!覚えられるわけないだろ!
と日本史が嫌いになり、世界史を選択することで日本史から逃げました。
この頃の苦手意識が続いており、歴史小説も読まず嫌いになっていたんです。
それに、「歴史小説を読むなら、歴史を知っていないと楽しめない」という先入観がありました。
たしかにそれは一部事実です。
「黒牢城」では、織田信長と毛利軍が争っているという描写があります。
日本史に興味がなかった私は、織田信長と毛利軍が争っていたという歴史の知識すらありませんでした。
ですが、私のように織田信長の敵対関係という知識がなくても、問題なく楽しめる小説です。
もちろん、知識があった方が読むスピードも上がりますし、より楽しめると思います。
しかし、歴史の知識が無いからといって全く楽しめないわけではありません。
知らなかったら、調べればいいんです。
歴史の知識が無かった私は、戦国時代特有の言い回しや、戦国武将の特徴など調べながら読んでいました。
いちいち調べながら読んでいくので、読むのに時間がかかります。
スマホの検索履歴には、「織田信長 生涯」「黒田官兵衛」「戦国時代 人質」「長島一向一揆」などなど歴史の単語で溢れていました。
ただ、今まで興味が無かった歴史のことを調べるのは、新鮮でした。
何といっても「黒牢城」が面白いので、歴史のことを調べるのが楽しくなってくるんです。
歴史の知識は、あるに越したことはありませんが、無くても充分楽しめます!!
あらすじ
時は戦国時代、本能寺の変で織田信長が敗れる4年前の出来事。
世は「織田信長VS大阪本願寺・毛利連合軍」という図式で争いが起こっていた。
そんな中、織田信長に属していた摂津国(今の兵庫県あたり)有岡城の城主である荒木村重は、突然謀反を起こす。
突然の謀反に対し、降伏の説得をするため黒田官兵衛が村重の元へ派遣されたが、逆に黒田官兵衛は土牢に幽閉されてしまう。
有岡城に籠城し、毛利軍の援軍を待っていた村重だったが、有岡城で奇妙な事件が発生。
幽閉している黒田官兵衛に助力を求め、官兵衛は土牢にいながら事件解決のヒントを教える。
なぜ村重は織田を裏切ったのか。
城内で起きる奇妙な事件の意味は何か?
黒田官兵衛の目的は?
戦国時代という特殊設定ミステリー
ここまで歴史小説を初めて読んだことの感動を書いてきました。
時代小説に苦手意識があった私が、ここまで面白く感じたのは、ミステリー要素があったからだと思います。
戦国時代×ミステリー
戦国時代の知識が無い私からすれば、それは特殊設定ミステリーとなります。
特殊設定ミステリー:特殊な状況下でのミステリー
戦国時代と現代では、文化や考え方が全く違います。
例えば、ある事件に「三間槍」という長い槍が関わってくるのですが、こんなもの現代のミステリー小説では、お目にかかれないと思います。
歴史の知識が無い私からすれば、特殊設定ミステリーだと感じました。
さらに、一番私が驚いたのが死生観の違いです。
戦国時代の武将たちは、死に際を大事にしていました。
「名誉ある死に方」を非常に大切にしていたことが、小説からも伺えます。
歴史的な事実の裏側
このミステリー小説は、歴史小説ですので、結末はすでに知られています。
・毛利軍の援軍は来ず、有岡城は落城。
・荒木村重は、貴重な茶器を持ち城から抜け出している。
・荒木村重の臣下は妻を含めてほとんど処刑されたが、城から抜け出した村重は生き残る。
・土牢に幽閉されていた黒田官兵衛は、落城の際に助け出される。
ミステリー小説なのに結末が分かっているって面白いですよね。
それが、歴史小説×ミステリーの魅力だと思います。
「黒牢城」では、この歴史的事実を踏まえて、理由がはっきりしない事実の推測をしています。
・そもそも荒木村重は、なぜ織田信長を裏切ったのか?
・黒田官兵衛はその場で処刑されずに、なぜ土牢に幽閉されたのか?
・荒木村重は、なぜ茶器を持ち出し城を抜け出したのか?
この3つの疑問点は諸説あり、いまだに明確な理由が分かっていません。
それを、ミステリー要素を交えて推測しているのです。
歴史の裏側では、本当にこんなことがあったかもしれない!
まさかここまで歴史小説に夢中になるとは思いませんでした。
「歴史小説=苦手」という意識があり、手が出せていない人には是非とも読んで欲しい1冊です。
きっと、読書の新しい扉が開くと思います!
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