こんにちは、あらいぐまです。
今回は、知念実希人さんの「崩れる脳を抱きしめて」を読みました。
文庫本が発売されるという事で、発売が待ち遠しかった本です。発売日に書店に行き、サイン本を手に入れることが出来ました!
研修医である碓氷は、研修先の病院で、脳腫瘍の患者であるユカリに出会う。
そんな二人は、ともに心に傷を負っていた。碓氷は過去に囚われており、ユカリは外出することに恐怖を感じ外出することが出来ずにいた。
心に傷を負ったもの同士、次第に惹かれあう二人。しかし、碓氷の研修が終わると同時に以前のように会えなくなってしまう。
ある日、碓氷のもとにユカリの死の知らせが届く。しかし、その死は不自然なものであり、碓氷は疑問を抱く。
ユカリが亡くなった理由を探す碓氷は、驚愕の真相にたどり着く。
知念実希人さんが書く「医療×恋愛×ミステリー」の物語です。
最初は、研修医と患者の恋愛物語として読み進めていましたが、碓氷が研修を終えた辺りで、今までの恋愛物語から一気にミステリーの要素が強まりました。
それからは、続きが気になり一気読み。
読み終えるタイミングが分からなくなります。
印象に残った言葉など、ネタバレなしで書いていこうと思います。
それにしても、ミステリー小説の感想を書くのにネタバレなしって難しいですね。
誰しもが抱える爆弾
脳腫瘍を患い余命が短いユカリに対して、碓氷が言った言葉が印象に残っています。
「やっぱり・・・・ダメ。だって、私の頭の中には爆弾があるのよ。だから明日生きているかも・・・・」
「前に言ったじゃないですか。誰だって明日まで生きている保証なんてない。誰だって爆弾を抱え生きているって。けれど、その爆弾に怯えていたらなにもできない。だから、僕たちはただ一日一日を必死に生きていくことしかできないんです。」
「崩れる脳を抱きしめて」知念実希人 株式会社実業之日本社 p362
爆弾が爆発する=死
ということは、誰しも爆弾を抱えています。
ただ、普通に生きている人はその爆弾に気づいていません。
自分が死ぬのはまだまだ先だろうと、見ないようにしているのかもしれません。
それも当然で、死というものを常に意識して生活していたら、楽しんだりできないですもんね。
脳腫瘍を患ったユカリには、その爆弾がリアルに見えるようになってしまった。
死というものを意識するようになってしまった。
この言葉を聞き、思い出した歌があります。かりゆし58の「さよなら」という歌です。
この歌にはこんな歌詞があります。
命は始まった時からゆっくり終わっていくなんて信じない。
ぼくが生きる今日は、もっと生きたかった誰かの明日かもしれないから。
「さよなら」かりゆし58
誰しもがいつ爆発するかも分からない爆弾を抱えています。
死なんて意識せず、予期せぬことで爆発してしまうこともあるかもしれません。
仕事で辛いことがあったり、なんだかやる気がない日があるかもしれません。
でもその日は、誰かが生きたかった明日なのかもしれません。
そう思うと、そんな日々でも懸命に生きなくてはいけないと前向きになることができませんか?
誰しもが抱える爆弾のことを考えさせられた小説でした。
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