こんにちは、あらいぐまです。
今回は、岡崎琢磨さんの「鏡の国」を読みました。
王様のブランチでも取り上げられ、話題になっているミステリ小説です!
また、書店で「鏡の国」を見た時、帯がめちゃくちゃ気になったんです。
反転、反転、また反転!
本気の仕掛けを堪能せよ。
装丁すら伏線。
岡崎琢磨「鏡の国」株式会社PHP研究所 帯
こんな帯を見せられたら、買わないわけがありません。
特に、「装丁すら伏線」。
めちゃくちゃ気になるじゃないですか・・・
あらすじ
大御所ミステリー作家・室見響子の遺稿が見つかった。
それは彼女が小説家になる前に書いた『鏡の国』という私小説を、死の直前に手直ししたものだった。
「室見響子、最後の本」として出版の準備が進んでいたところ、担当編集者が著作権継承者である響子の姪に、突然こう告げる。
「『鏡の国』には、削除されたエピソードがあると思います」――。
削除されたパートは実在するのか、だとしたらなぜ響子はそのシーンを「削除」したのか、そもそも彼女は何のためにこの原稿を書いたのか……
その答えが明かされた時、驚愕の真実が浮かび上がる。
PHP研究所 HP
小説の中に小説がある「作中作」という形式です!!
登場人物
2063年
室見 響子:有名ミステリー作家、2年前に亡くなる。遺作として「鏡の国」を発表。
桜庭 怜:響子の姪。響子の小説の著作権を相続した。
勅使河原 篤:響子の担当編集者。響子とは20年来の付き合い。
2020年(ほぼノンフィクションである「鏡の国」の時代設定)
香住 響:アイドルを辞め、「アザーサイド」でウェブライターとして勤務している。「身体醜形障害」を発症。
新飼 郷音:響の幼馴染。小学生の時、顔に火傷を負う。
吉瀬 伊織:レストランで働いているコック。「相貌失認」を発症。
久我原 巧:響の同僚。兄が行方不明。
見た目重視の世の中
「鏡の国」は、見た目重視の世の中に対する疑問を投げかけています。
登場人物は、「身体醜形障害」と「相貌失認」という容姿に関わる病気を抱えています。
身体醜形障害:実際には存在しない外見上の欠点やささいな外見上の欠点にとらわれることで、多大な苦痛が生じたり、日常生活に支障をきたす。
相貌失認:人の顔が判別できない症状。髪・身長・声などで人を判断するしかない。
多様性と言われながら、「ルッキズム」が浸透している現代。
「鏡の国」の登場人物たちは、そんな時代を苦しみながら生活しています。
そんな中、作中で精神科医がこんな言葉を話しています。
いつかは失われるもの、いつかは失われると分かっているものに、決して自分の一番の価値を置いてはいけないのです。
岡崎琢磨「鏡の国」株式会社PHP研究所 p272
容姿は、いずれ年を取ることで失われます。
容姿に一番の価値を置くと、失った時の衝撃が強すぎて、生きる意味を失ってしまうかもしれません。
いつか失われる「容姿」に一番の価値を見出してしまう結果、自分が苦しんでしまうことになります。
「ルッキズム」を題材にした小説で話題になったのが、藤崎翔さんの「逆転美人」です。
「鏡の国」で興味が出た人に、ぜひオススメです!!
装丁の伏線とは?
「鏡の国」には、ラストに衝撃の真相が隠されています。
帯に記載された通り、「反転」するのです。
ですが、帯に若干のやりすぎ感を感じました・・・
「反転、反転、また反転!」
これは言い過ぎな気がします。
ハードルが上がりすぎてしまった印象・・・
ですが、「装丁すら、伏線。」という文言は、たまらなく好きでした。
ワクワクしましたし、実際に「ある伏線」があります。
表紙の伏線
表紙に書かれている少女は、右側が炎のようなもので覆われている。
「鏡の国」の中で、右の頬に火傷を負った「新飼郷音」。
つまり表紙に映っている少女は「新飼郷音」である。
「鏡の国」の作者である「室見響子」のモデルは、主人公の「香住響」ではなく「新飼郷音」である。
装丁すら伏線の一部にするのは、衝撃的でした・・・
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