【要約・感想】スマホ脳 あなたもきっとスマホに操られている

スマホ脳
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こんにちは、あらいぐまです。

今回は、アンデシュ・ハンセンさんの「スマホ脳」を読みました。

突然ですが、皆さんは一日にどのくらいスマホを触っていますか?

朝起きてすぐにスマホを探し、SNSで更新がないかチェックし、通勤途中もずっとスマホを触っている。

仕事から帰ってきて、スマホでSNSの更新チェックし、Youtubeを見る。

そして、寝る直前までスマホを触り眠りにつく。

そんな人も多いのではないでしょうか。私も時間があるとついスマホを触りたくなってしまいます。

この本では、スマホには人を惹きつける力があると書いてあります。

そして、その結果私たちに悪い影響が出ているというのです。

SNSの使い過ぎで不幸に感じたり、集中力がなくなったり・・・・

目次

ドーパミンとスマホ

スマホの影響を考えるうえで、欠かせないものがドーパミンです。

ドーパミンとは、神経伝達物質のひとつです。

報酬物質と呼ばれており、やる気や快楽につながります。

それだけではなく、「何に集中させるか」を選択させる役割を担っています。

このドーパミンは、スマホを使うことと深く関わっています。

新しいものが大好き

先史時代、人類が食料を追い求めて新しい場所を探しに出たように、

人間の脳は新しいものが大好きです。

スマホやPCでページをめくるごとに、脳がドーパミンを放出します。

今読んでいるページより「次に何が書いてあるんだろう」という思いで夢中になってしまいます。

期待が大好き

「もしかしたらこの先に食料があるかもしれない」と先史時代の人類が思ったように、

脳は「かもしれない」という期待が大好きです。

ドーパミンの最重要課題は、人間に行動する動機を与えることです。

そのため、不確かな結果の方に多くのドーパミンを出します。

宝くじやギャンブル、ゲームのガチャにはまってしまう要因は、「かもしれない」が大好きな脳がドーパミンを大量に放出するからです。

これは、スマホの通知音にも同じことが言えます。

スマホの通知音が鳴った時、脳は「私にとって大事な要件かもしれない」と反応します。

そして、実際にメールやチャットを読んでいる時よりも、通知音が聞こえた時の方が、ドーパミンの量は増え、スマホに集中するよう仕向けてきます。

通知音が鳴ると、スマホを確認せずにはいられないのです。勉強中にスマホが鳴って、勉強を中断するように・・・

人間の脳は現代社会に適用できていない

人類の歴史の中で、現代のようにインターネット・スマホ・SNSが発達した時代は、ほんのわずかです。

先史時代、群れを作り狩猟をしていた時間の方が圧倒的に長いのです。

そのため、人間は先史時代に適用するよう進化はしてきましたが、現代の急激な変化に追いついていないのです。

例えば、先ほどのドーパミンの例。新しいものや期待が大好きな脳も先史時代には役立ちました。

しかしながら、そのドーパミンは現代において、集中すべき時に集中できないなど悪影響が出始めています。

さらに、ストレスにおいても、先史時代と現代では大きく違います。

先史時代の人間は、急な敵(ライオンなど)に出会うというストレスにさらされると、素早く反応して、攻撃に出るか逃走するか選択する必要があり、心拍数が上がります。

この反応が現代の人間にも残っています。

今と昔のストレスの違い

先史時代のストレスと現代社会のストレスで大きく違うのは、長さです。

先史時代は、敵に遭遇した時どうするかという短い時間のストレスであり、現代社会のストレスは、仕事の締め切りや将来の不安など、長期間継続することが多いです。

現代社会の私たちの脳は、ストレスへの対応は変わっていませんが、長期的なストレスにさらされています。

ストレスに対して、脳は「闘うか逃走するか」という先史時代の対応をしますが、これが長期的に続くと精神が疲弊します。その結果、うつ病などの要因になってしまいます。

集中力とスマホ

私たち人間は、一度にひとつのことにしか集中できません

よくマルチタスクという言葉を聞きますが、ほとんどの人はマルチタスクができているフリをしているだけです。

実際は、作業と作業の間を行ったり来たりしているだけです。

また脳には、作業と作業の間に切り替え時間が必要であり、ほんの数秒メールに費やしただけでも元の作業に集中するのに時間がかかります

このことは、注意残余と呼びます。

注意残余:さっきまでやっていた作業に注意が残っている状態

スマホが奪う集中

スマホは、私たちの注意を惹きつけるすごい威力があります。

読書中に聞こえてくるスマホの通知音

勉強している時に目に入るスマホ

常にデジタルな邪魔が入ることで、気を散らされています。

マナーモードにすればよいという問題ではなく、ただそこにあるだけで集中できなくなってしまいます

それだけ、スマホの威力はすごいのです。

確かに、スマホの通知音が鳴ると、今までやっていた作業を止めて確認したくなりますよね。

読書している時に、LINEの通知が鳴って確認し、ついでにSNSを確認して・・・

いつの間にか読書ではなく、スマホを触ってしまっています。

読書でその世界に入り込んでいる時に、スマホの通知音がなり現実に戻される・・・

私は、それが嫌すぎるので、読書中はスマホの電源を切り、目に入らない場所に置いています。

好きなことをやっている時間を邪魔されたくないですからね。

比較は喜びを奪う

現代社会において欠かせないものは、SNSだと思います。

遠くにいる人の近況が分かったり、有名な人の投稿を見たり・・・

しかし、そんなSNSを熱心に利用している人ほど、孤独を感じるといいます。

その理由として、皆がどれほど幸せかという情報を大量に浴びせかけられて、自分は損をしている孤独な人間であると思ってしまいまうからです。

デジタルな競争

人は、他人と競争をして、負けて地位が下がると不安になり、心の健康を損ねます。

わたしたちは、そんな競争ばかり毎日しています。

スポーツで競う、勉強の成績で競う、インスタグラムで誰が楽しいことをしたか競う、一番フォローワーが多いのは誰?、珍しい体験をしたのは?・・・・

昔も競争はありました。

しかし、SNSの発達により競争の質が変わってきました。

昔は、自分の周りにいる人や手の届かない芸能人くらいしか比較する相手がいませんでした。

ですが、今はSNSを通じて遠く離れた多くの人と比較できてしまうのです。

しかも、その比較対象である投稿は、できる限り良い部分だけを切り取ったものです。

そんなデジタルな競争により、自分の地位はヒエラルキーの最下層にあると感じてしまいます。

スマホの持つ威力はすさまじいものです。

やりたいことがある。

自分の好きなことに没頭したい。

そういう時は、思い切ってスマホの電源を切り、目の届かぬ所へ追いやってはどうでしょうか。

そうでもしないと、スマホがわたしたちを操ってきます。

LINEの通知を数時間見なかったくらいで、なんともないでしょうから。

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この記事を書いた人

はじめまして。
あらいぐまと申します。
読書とソロキャンプが趣味の28歳の会社員。
ミステリ小説多めです。
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