【感想】日常にジリジリと迫る恐怖【辻村深月 闇祓】

闇祓 辻村深月 ネタバレ
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こんにちは、あらいぐまです。

今回は、辻村深月さんの「闇祓」を読みました。

あらいぐま

辻村深月さんのホラー小説!?絶対面白いじゃん・・・

辻村深月さんと言えば、本屋大賞を受賞した「かがみの孤城」や「朝が来る」、「スロウハイツの神様」などありますが、ホラー小説とは予想外でした!

実際に読んだ感想としては、幽霊の怖さではなく、人間の怖さを味わえる作品だと感じました。

日常が徐々に壊されていく様子は、背筋に冷たいものを感じながら、読む手が止まりませんでした。

辻村深月さんで一番大好きな小説が、2018年に本屋大賞を受賞した「かがみの孤城」です。

深夜に号泣しながら読んだおススメの本です。

「闇祓」と同じ作者だとは思えません・・・辻村さんすごい・・・

\辻村深月さんのオススメ小説!!/

目次

あなたの日常にも「闇」が入り込むかもしれない

「闇祓」では、「闇ハラスメント」という言葉が登場します。

闇ハラスメント

自分の思いや事情などを相手に押し付け、不快にさせること。→闇を振りまくこと。

通称「闇ハラ」

この「闇ハラ」を行う家族が、この物語のキーになります。

この家族は、それぞれの生活場所で闇を振りまいていきます。

父親は、職場で。

母親は、地域や学校のコミュニティーで。

息子は、学校で。

闇ハラを受けた人々は、徐々に生活が壊れていきます。

日常に闇が入り込み、じりじりと生活が壊れていく様子が、リアルで怖いんです・・・

ありふれた日常のため、私たち読者にとっても身近に感じやすいんです。

心霊スポットやお墓などで起きる非日常感ではなく、あくまでも日常生活だからこそ、余計怖くなるのかもしれません。

もしかしたら、自分の周りにもいるんじゃないか・・・

そう思ってしまうほど、リアルで身近な怖さを感じることができます。

死から切り離された日常

登場人物である三木島梨津が、事故物件を掲載しているサイトを見てこのように言っていました。

「見ているうちに、今は家で亡くなる人って本当に少ないんだなって、逆に思ったの。

サイトは孤独死や病死も紹介されてたし。

必ずしもすべてが網羅されているわけじゃないと思うんだけど、こんなにもたくさんの人が住んでいる中で、家で亡くなる人ってこれだけなのかと思ったら、現代って、徹底的に日常から死が隠されてるんだなって思った

病院で亡くなるのが普通で、それ以外が特別なんだって」

辻村深月「闇祓」株式会社KADOKAWA p106

たしかに、突然死でない限り病院や施設で亡くなるイメージがありますよね。

日常から「死」が切り離されているように感じます。

病院や介護施設で働いている人以外は、自分の日常に「死」が入り込む余地が無いようにできている気がします。

例えば、葬式を思い出してください。

葬儀の会社に葬式の手配をし、参列者は喪服を着て、ある種の儀式的な非日常の場となっています。

身近な人が無くなった際には、葬式という場にすることで、日常から「死」を切り離していると感じます。

また、人が怪談を聞いたり、ホラー小説を読むのは、怖いもの見たさで「死」という恐怖の対象を物語にしているんだと思います。

梨津の言葉で、そんなことを考えてしまいました。

「闇祓」の魅力

「闇祓」の魅力

・人間の怖さを味わえる

・ジリジリと闇が迫ってくる様子がリアル

・自分の身近な環境と置き換えて読むことができるため、より怖い

辻村深月さんのホラー小説・・・思ってた以上でした。

幽霊の怖さではないため、怪談が苦手な人も読むことができると思います。

日常が壊れていく様子がリアルで、読む手が止まりませんでした。

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この記事を書いた人

はじめまして。
あらいぐまと申します。
読書とソロキャンプが趣味の28歳の会社員。
ミステリ小説多めです。
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