こんにちは、あらいぐまです。
今回は、町田そのこさんの「夜明けのはざま」を読みました。
町田そのこさんと言えば、「52ヘルツのクジラたち」で2021年本屋大賞で1位を獲得しています。
また、2023年の本屋大賞では「宙ごはん」がノミネートされました。
本屋大賞常連の町田そのこさんの最新作「夜明けのはざま」。
今回も間違いなく本屋大賞にノミネートされると思いました!
「夜明けのはざま」は、葬儀社を舞台にした連作短編小説です。
そのどれもが、心の一部がえぐられ、感情が揺さぶられる物語。
何といっても、登場人物の心情描写が丁寧なんです。
登場人物たちをリアルに感じることができ、読者は感情移入がしやすくなります。
登場人物に深く感情移入することで、自分の感情が激しく揺さぶられるのです。
三章「芥子の実」では、ハラハラしっぱなしでした・・・
前作「宙ごはん」の時も思いましたが、心に残る言葉が多い!
今回も心に残った言葉を紹介していこうと思います。
あらすじ
地方都市の寂れた町にある、家族葬専門の葬儀社「芥子実庵」。
仕事のやりがいと結婚の間で揺れ動く中、親友の自死の知らせを受けた葬祭ディレクター、元夫の恋人の葬儀を手伝うことになった花屋、世界で一番会いたくなかった男に再会した葬儀社の新人社員、夫との関係に悩む中、元恋人の訃報を受け取った主婦……。
死を見つめることで、自分らしく生きることの葛藤と決意を力強く描き出す、『52ヘルツのクジラたち』で本屋大賞を受賞した町田そのこ、新たな代表作!
ポプラ社HP(https://www.poplar.co.jp/book/search/result/archive/8008442.html)
登場人物
芥子実庵
芥川:家族葬専門葬儀社「芥子実庵」の社長。「死」を恐れている。
井原:「芥子実庵」のスタッフ。
佐久間 真奈:「芥子実庵」のスタッフ。
須田:「芥子実庵」のスタッフ。
佐久間の関係者
江永 なつめ:佐久間の親友。
高瀬 楓子:佐久間の親友。
浦井 純也:佐久間の恋人。
浦井 良子:純也の姉。
その他登場人物
牟田 千和子:花屋。葬儀の花を準備している。
牟田 天音:千和子の娘、大学生。
野崎 速見:千和子の元夫、天音の父親。
森原 壱:浦井良子の元恋人。
森原 星:壱の兄、芥川の同級生。
自分の生き方を見つめなおす
「夜明けのはざま」は、葬儀社が舞台です。
大切な人の「死」に直面した登場人物たちは、様々な苦悩を抱えます。
・もっと話しておけば良かったと後悔する人
・大切な人が死んでいるのに、世間体を気にする家族
・しっかりした葬儀ができなかったと悔やむ人
・大切な人の「死」を受け入れられない人
苦悩する登場人物たちを通して、自分の生き方を見つめ直すことができました。
「死」は誰にでも平等に訪れる。
そんな「死」に向き合うことで、今を精一杯生きようと思える。
自分も「今を生きること」を大切にしようと前向きになれる物語です。
心に残った言葉3選
「夜明けのはざま」を読み、心に残った言葉が3つありましたので紹介します!
共に生きていくのに大切なこと
一緒に生きていくために大切なのは、「しあわせな瞬間」だけではなくて、「相手のしあわせを考える時間」も大切なんだよ。
町田そのこ「夜明けのはざま」株式会社ポプラ社 p138
私は結婚生活を始めて2年以上になります。
2年以上、常に自分以外の誰かがいる生活が続いています。
それなりにケンカもしてきました。
その中で「相手のしあわせを考える時間」が持てたら、もっとケンカは減ったのかなと思います。
相手が何にしあわせを感じているか考える。
共に生活していく中で、とても大切なことだと思います。
相手の行動にイラっとしたとき、思い出したい言葉です・・・
相手のしあわせを考えないと、相手の趣味を全否定したり、何気ない言葉で傷つけてしまうかもしれません。
お互いがお互いのしあわせの時間を考えること。
これから大切にしていきたい言葉です。
「死」は全ての人に平等
「死」はやはり、全ての者に平等なのだ。
ただしそれは、残された者、生きている者に対してだ。
大事なひとの「死」は、誰にでも訪れる。
その苦しみ、哀しみ、惑い、恐怖こそが、平等に受け入れなければならないもの。
そこに豊かさも貧しさも存在していない。
町田そのこ「夜明けのはざま」株式会社ポプラ社 p138
「死」は平等である。
死ぬことは回避できないので、正しいと思います。
しかし、「死」の状況についてはどうでしょうか。
死因:交通事故・病気・殺人・災害・・・・
年齢:若くして亡くなる方もいれば、大往生する方もいる。
環境:大勢に看取られて亡くなる方もいれば、孤独死する方もいる。
全然平等じゃないですよね。
しかし、残された人にとっての「死」はどうでしょうか。
残された人の哀しさ・苦しさは平等ではないでしょうか。
「死」の平等について考えさせられた言葉です。
自分の「それくらい」を押し付けない
自分の中の「それくらい」を相手に押し付けちゃだめだよ。
理解しないと、いつか後悔することになる。
町田そのこ「夜明けのはざま」株式会社ポプラ社 p138
イライラしたとき、自分の中の「それくらい」を相手に押し付けていないでしょうか。
たとえば、誰かに相談された時。
「そんなくらいで悩むなよ。考えすぎだよ。」
って言っていませんか?
私は、よく妻に言っちゃってました・・・
自分にとっては「それくらい」でも、相手にとっては重要なことかもしれません。
私生活だけでなく、仕事でも同じことが言えます。
後輩に仕事を教えている時、「それくらいなら、すぐにできるでしょ・・・」と思ったことがあります。
後輩にとっては難しい仕事なのかもしれませんし、他に緊急の仕事が入ったのかもしれません。
そんな状況も確かめずに「それくらい」を相手に押し付けていました。
「それくらい」という価値観で相手を判断して、傷つけてしまう。
それって、すごく傲慢な行為だと思うんです。
「それくらい」と思ったとき、この言葉を思い出し、傲慢な自分を反省します。
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